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18回アマコン [ギター]

 アマコンでのゲスト演奏が終わりました。演奏の出来は反省点の多い結果となってしまいました。最初のクレンジャンスのアリアは余裕のない演奏でしたが大破はなく弾けたので7月30日のGFPオーディションよりは良い出来だったと思います。次の佐藤弘和さんの響絆はリピートの後でミスをしてしまったのが悔やまれますが、佐藤さんに届けようという気持ちで演奏しました。タンスマンは挑戦だったのですが、難所は全て悪い方向に転んでしまいました。緊張下で難しいパッセージを落ち着いて弾くことが出来ずに焦ってしまいそれがミスに繋がってしまいました。焦って早くなり自滅するというのが私の欠点であることを再認識しました。プレリュードとダンサ・ポンポーザは恥ずかしい演奏でしたが、この反省をこの2曲を自由曲に選んでいる埼玉コンクールに繋げたいです。ゆったりしたサラバンドとバルカローレはホールの響きを味わう余裕もあり、良い演奏が出来たと思います。スケルツィーノは一番不安だった難所を乗り切れたことが自分なりの成果です。ダンサ・ポンポーザは冒頭で暗譜が飛ぶという不測の事態で、引き直したものの焦ってミスを呼ぶ最悪な演奏となってしまいました。結果を悔いても仕方がないのでこの経験を次に活かしたいと思います。
 コンクールについてですが予選は10番目から32番目までを客席で聴きました。33番以降は控室で音出しをさせて頂いていたので聴いていません。今年の課題曲はタレガの夢で、昨年のソルに比べれば親しみやすいこともあり、良い演奏をする人が多かったように思います。私が聴いた中では清田さんの演奏が飛び抜けて印象的でしたが、本選でも素晴らしい演奏をされて3位を取られました。一音一音が明瞭で抜けが良く右手のタッチだけでなく左の押さえ方の安定が伺えます。本選での演奏も素晴らしい内容で、演奏としては私は飛びぬけて良かったと思いましたが、自由曲がコンクール向きではなかったことが3位に留まった要因に思いました。2位になった木村さんは23歳で社会人になったばかりとのことで、難曲を見事に演奏されていました。難しい曲ということもあり、多少の荒も目立っていたのですが、曲の難易度という点が2位と3位を分けたのではないかと思います。1位を取られた寺島さんもまだ30歳とのことですが、技術も音楽表現も素晴らしい演奏でした。打ち上げで聞いたところ本番でも全く緊張しなかったとのことでメンタルの強さが羨ましいです。寺島さんの演奏を聴いていて若干楽器の鳴りがこじんまりしている印象があったのですが、もっと良い楽器を使えたらさらに説得力が増すように思います。アマコン出演者は年配の方も多く、やはり年配の人の方が良い楽器を使っている傾向はあります。ですが評価としては楽器の良し悪しよりもまずは技術や音楽性、演奏内容そのものが問われるので楽器の差というのはアマコンではあまり大きな要因にはならないとも思いました。でもフレタの音には説得力があったのも確かです。打ち上げでゲスト審査員だったブラーボさんがプロとアマチュアの境界線は無いと仰っていましたが、今回入賞された方々の演奏はそう言って頂ける高いレベルであったと思います。今回は1位から4位までを20代、30代の人が独占しました。このような若手が出てくると年配者が上位に入るのは難しい状況になってくるかもしれません。ですがシニア層に偏りのあるクラシックギター界において若手の活躍は将来の希望です。他のコンクールでは年齢別にしたり、年配者用に特別賞を用意したりという傾向にありますが、私は年齢で区別されることは好きではなく、年齢に関係なく競えるアマコンで有り続けて欲しいです。そして若手から刺激を受けて年配者も向上を目指し、より活気のあるギター界になると良いと思います。打ち上げに参加された1位の寺島さん、2位の木村さんはアンダンテの土曜ゼミやカリスのサンデーサロンを知らないようでしたので、こういう人達と常連さんが交流出来ると良いなと思います。



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中出敏彦 [ギター]

 自分の所有している3台のギター、マルセロ・バルベロ・イーホ、マヌエル・ベラスケス、エンリコ・ボッテーリはそれぞれ良い楽器で、これ以上高額な楽器は買わないし、買えません。
恐々とアルカンヘルを試奏してみても、とても良い楽器と思うもののバルベロ・イーホに替えて使いたいとまでは感じませんでした。フレタは良い楽器だと思いますが、欲しいとは思いません。ラミレスにも興味はありません。ブーシェには憧れますが現実的ではありません。ブーシェほど高額ではないとしてもやはり現実的ではない憧れの楽器はエルナンデス・イ・アグアドです。アグアドへの憧れからアグアドっぽい楽器も見ています。マルセリーノ・ロペスは良いとは思わなかったですが、バルブエナ(1世)はアグアドっぽいかは別として良い個体もありました。ただその時期にバルベロ・イーホに出会ったのでアグアドもどきへの興味は薄れました。
 その後は安くて良い物があればと国産中古に目を向けていたりしました。一時期注目していたのがヤマハの江崎モデルGC-30Bです。30Bは今でも人気がある機種で同時期の30A,30Cに比べて現在でもかなり高値で取引されています。30Bはヤマハが技術指導としてエルナンデスを招聘して作られたモデルですから、アグアドもどきの一種です。少し前に30Bの後継機種であるGC-61が店頭にあったので試奏させてもらいました。明るく乾いた音で良い楽器でしたが弦長660mmというのが自分には厳しいと感じました。といいますか弾き難さを我慢しても使いたいとまでは思わなかったということです。それで同じスペックの30Bへの興味は薄れました。
 その後に邦人製作家で興味を持ったのが中出敏彦で、知り合いが使っている中出敏彦が良い音だったことがきっかけです。調べてみるとスペインに行ってエルナンデス・イ・アグアドの工房で修業され、アグアドラベルの中には中出敏彦さんが製作した楽器が何本かあるとのことです。それで何となく中出敏彦の中古などもチェック対象としていたところ、中出敏彦のアグアドモデル2000年というのが目に入りました。ですが2000年製作の中古楽器であるにも関わらず税込864000円という高額な値段がついています。中古価格としては海外の著名な製作家に並ぶような金額です。ですが調べてみると中出さんの通常のモデルはアグアドを範としながらもデザイン等はオリジナリティを加えた物ですが、アグアドモデルはエルナンデス・イ・アグアドの完全コピーを謳っており、ヘッドのデザインを始めボディサイズもアグアドと同一になっています。
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上の写真のナットは牛骨で作り直した物ですが、オリジナルのナットは本物のアグアドと同様に黒檀に象牙を張り付てありました。
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 また塗装も表面のみセラックという物が多い中で全面セラックですし、カタログ上の価格だとしても250万という価格がつけられた特別モデルでした。興味は持ったものの価格的に手は出ないとスルーしていました。ところが先月末から夏のボーナスセールということで大幅値下げがされており、つい見に行ってしまいました。現物を見てみると17年経過したとは思えないほとんど無傷の美品で見事な柾目のハカランダとアグアドの完全コピーの外観に魅了されました。
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 弾いてみると全音域がムラなく鳴り、やや線の細さを感じるものの透明感のある音色は好印象です。弦高が低めに設定されてたので調整すればもっと音がしっかりすると思えましたし、楽器の状態から見てセール価格ではとても買い得という印象から買ってしまいました。弦長が650mmという点も無理が無く良いです。
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 その後にナットとサドルを新規に作成して弦幅42mm弦高1弦3mm6弦4mmにして一週間ほど弾き込むとしっかりした音が出るようになりました。弦高の調整は田邊さんにお願いしました。なお名出さんの工房は中野にあるとのことで、ご本人に調整頂ければと連絡してみたのですが、直接注文して作った楽器の修理は受けるけれど楽器店を通して買った物はそちらに持っていってくださいとのことでした。
 音の深みという点ではバルベロ・イーホの方が格段に良いのは間違いないのですが、適度な張りで弾き易すく扱い易いというメリットは大きいです。この楽器を人前でも使ってみましたが悪い評価は今のところありません。また他の人に弾いてもらって聴いた印象としても悪くなく、特にあるアマチュアの女性ギタリストに弾いてもらった音は私的には音に芯があり、明瞭でとても気持ちの良い音が出ており良い楽器であることを確信しました。自分との相性も気になるところですが「箭田さんは箭田さんの音がする」と言われて何となく納得した次第です。
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現代ギター定期購読 [ギター]

月刊雑誌の現代ギターの話です。
現代ギターは1990年代に毎号購入していた時期がありましたが、全部処分してしまいました。
最近では本格的にギターを再開して2013年の夏頃からまた購入するようになりました。
現代ギター誌には年間定期購読の案内が掲載されていますが、書店で毎号購入していました。
2016年4月号に雑誌のオンライン書店fujisan.co.jpの広告が掲載されていて、
クレジット決済で雑誌が送られてくること、過去数年分のバックナンバーの電子版が無料で読めて、
12か月継続の縛りはあるものの最初の数号が割引になることなどで利用することにしました。
現代ギターは23日が発売日で、GGショップや楽器店などでは早めに売られて売ますが一般の書店では23日にならないと店頭に出ません。
定期購読では20日頃には自宅に配達されます。
今年の3月で12か月が経過しましたので、今度は紙版+電子版の年間一括払いにしました。
金額は現代ギター社の年間購読料と同額で、それに電子版も付いてきます。
電子版で見られるのは2011年12月号から最新号までです。
私の場合は雑誌を買っていなかった2013年夏以前のバックナンバーも電子版で読めるというメリットがあります。
電子版はパソコンやスマホで何時でも閲覧出来ます。
権利関係から一部電子版未掲載の楽譜がありますが、殆どは付録の楽譜も電子版でも見られます。
また該当ページを印刷することも出来るので雑誌をコピー機にかけるより便利です。
なお送られてくる紙版は現代ギター社の封筒で届くので発送元は現代ギターからだと思います。





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セヒージャ(Cejilla スペイン式木製カポタスト)の改造 [ギター]

  先日、アウラの通販で楽譜を買うついでにスペイン式木製カポタストを購入しました。日本製のパコ・モデル:プロフェソールという物です。パコモデルの一番安い物は売り切れでした。値段の違いは装飾の違いで機能的な差は無いようです。現物を見ずに買ってしまったのですが、木部の作りは良いものの構造的にこれで良いのかと思う物で買ったことを後悔しました。
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  カポタストはあまり使うことは無いのですがスペイン式の木製カポ、セヒージャはオシャレですから以前から欲しいと思っていたのです。出来ればCRANEの鶴田さんの製作した物が欲しいと思ってホームページをチェックしていたのですが新作の情報が出ず、市販品を購入してみたのです。市販品は皆、紐の部分がクリアナイロンなので風情に欠けるのが残念ですが、そこは妥協しました。届いた現物を見るとネック裏に回る革の内側にナイロンが通っていて、このまま締め上げるとネックに跡が付いてしまいます。本来はナイロンの締め付けからネックを保護する為に革があるはずです。単純にもう一つ穴を明けて外側に通すのを忘れた不良品なのか、最初からそういう設計なのか分かりませんが、このままでは使えません。
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  ペグ側のナイロンを外して、穴を一つ空けるだけで改造可能ですが、元々の革も見た目がビニールっぽい物なので木部以外を取り換えることにしました。本当は鶴田さんのように本物のガットを使いたいところですが、身近にあったアクイーラの使い古しのナイルガット弦を流用することにしました。乳白色なので良い感じになります。また革は東急ハンズでハギレの小さい素材を2つ買ってきました。一枚300円です。
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  まずはオリジナルを分解します。木部と革は接着されているので無理やり剥がします。ナイロン糸は端を焼いて丸めてあるだけですので、切って外します。
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  外した本体側の穴にナイルガット弦を通し、ライターで炙って抜けないようにします。次に買ってきた革を幅を合わせてカットします。接着剤を使うとやり直しが面倒になるので両面テープで貼り付けました。ギターに装着する時は挟み込むことになり接着の強度は不要ですから両面テープで十分です。後はキリで両端に2つづつ穴を空けてナイルガットを通します。ナイルガットの長さを調整してペグ側に通してライターで端を丸めれば完成です。
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  2つ買ってきた革のピンクがかった色の方にしてみました。弦を押える部分とネックを保護する部分を同じ革にしているので革の固さで音がビレる可能性がありますが、とりあえず大丈夫そうです。
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  構造的に単純ですからダメならまた違う材料でやってみれば良いだけです。弦を押える本体側に貼り付ける革料とネックの保護用の革材を分離して別物にすることも出来ます。


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新国立「ジークフリート」鑑賞 [音楽鑑賞]

2017年6月1日の新国立劇場の「ジークフリート」初日を鑑賞してきました。座席はC席で4階3列目の桟敷席です。桟敷席というのは舞台から遠いので視覚的には厳しいですが、音響的には音が集まってくるのでとても良い場所です。昨年からのプロジェクトである飯守先生のニーベルングの指輪も3公演目となり、残すは今年秋の「神々の黄昏」のみとなります。前夜祭の「ラインの黄金」と第1夜「ワルキューレ」はオーケストラが東フィルでしたが第2夜「ジークフリート」は東京交響楽団でした。ちなみに「神々の黄昏」は読響です。
飯守先生の初日ということでまとまりに欠けるのではないかという不安がありましたが、歌手もオケも乱れることなく素晴らしい演奏でした。何より東京交響楽団の精度が高く、さらに飯守先生の要求したであろう音楽を見事に具現化していて素晴らしい音を聴かせてくれました。歌手も皆素晴らしく特にジークフリート役のシュテファン・グールドは最後まで圧倒的な声量のヘルデンテノールを聴かせてくれました。グールドと並ぶとさすらい人(ヴォータン)がやや小粒な印象はありましたが、皆高水準で大満足です。
リングとなるとどうしてもホルンに注目してしまいますが、1番は大野雄太さん一人で全幕吹き切り、最後まで安定した素晴らしい音を聴かせてくれました。5番ホルン(ワーグナーテューバ1番)がジョナサン・ハミルさんで東京交響楽団の現役ホルンセクションは高水準です。ただ2幕のホルンコールは誰が吹いていたかは分かりませんが初日ということもあってでしょうが、かなり残念な出来でした。ただ演出的にあまりに間を取り過ぎていてステージに合わせて裏で吹くのは大変だろうなと思いました。
実は「ジークフリート」がこんなにも面白いということを今回初めて分かりました。全三幕で4時間超の長丁場ですが眠くなることもなく、最後まで堪能しただけでなく感動しました。学生の頃に二期会のジークフリートを東京文化で見たのですが、その時は知識もなく字幕も無かったのでとても退屈だったのでそれがトラウマになっていたのでしょう。新国立の音響と字幕はオペラの楽しみを教えてくれます。
ただあの頃に比べればリングの世界観や示導動機、ワーグナーの音楽を演奏者として経験してきて聴こえてくる情報量が違うということもあります。飯守先生のリング、最後の「神々の黄昏」が俄然楽しみになってきました。


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クラシカルに挑戦 [ギター]

昨日の5月3日に行われた第48回クラシカルギターコンクールに参加してきました。クラシカルへの挑戦は昨年に続き2回目になります。昨年は私のような年配者が出ることは場違いではないかと恐々と様子見のつもりでした。昨年参加してみて優勝争いのレベルはとても高いながら予選出場者の平均レベルはそれほどでもなく、本選出場の可能性はゼロではないとの感触を得ました。それ故に今年については1年かけての大きな目標として取り組んできました。昨日の予選での自分の演奏は酷いものとなってしましましたが、それが今の自分の実力なのだと素直に思います。今年感じたことは若い人達に対して音楽的な不満は多く感じるものの、音を並べる技術という点では全く敵わないということです。そもそも技術で競うつもりは最初から無いのですが、技術が不足するものが音楽で勝負出来るレベルのコンクールではないと思い知りました。これは自分を卑下している訳ではなくクラシカル入賞を目標とすることは自分には適していないという判断です。今年の1位は中学2年生とのことでクラシカルは若手が競いレベルを高めて行く場としてのコンクールであるべきと思います。クラシカルの予選と本選の課題曲は難易度も高く量もあります。今年の本選課題曲のタンスマンの練習でも苦戦しました。それでも自分のレパートリーにしたい名曲として遣り甲斐がありました。クラシカルの準備として課題曲と自由曲を合わせて30分程の曲を仕上げる必要があり、それを毎年続けるのは厳しい物があります。ですので来年のクラシカルは考えないことにして、もう少し敷居の低い場にチャレンジしたいと思います。今年のクラシカルのために準備してきたタンスマンのカヴァティーナ、ポンセの南のソナチネ、クレンジャンスのアリアは自分のレパートリーとして今後に活用していきます。


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良い音を響かせる [ギター]

先月、下の写真の82年のベラスケスを入手しました。2本手放したので手持ちのギターは次の3台です。
マルセロ・バルベロ・イーホ2002
マヌエル・ベラスケス1982
エンリコ・ボッテーリ2014
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3台とも表面版はスプルース、裏板はハカランダです。昨年の秋口からメインの楽器としてバルベロ・イーホを使っています。弾き易い楽器ではありませんが、この楽器の扱いに慣れてきてますます惚れ込んできました。手元で大きく鳴る楽器ではないので、当初は音量感に不安がありましたが自分で感じる以上に鳴っているということが分かってきて、今では楽器を信じて弾くことが出来るようになってきました。
入手したばかりのベラスケスはバランスも良くバルベロ・イーホに比べると弾き易い楽器です。手持ちの中で最も古い物ですが、あまり弾かれていなかった楽器で音はまだ枯れていません。レッスンに持って行った時に先生に弾いてもらった音を聴いて、自分ではまだこの楽器の性能を活かしきれていないことも分かり、弾き込むことでさらに鳴ってくると思いますので今後が楽しみです。ボッテーリもベラスケスもハウザー一世を意識した楽器で共通する特徴として粘りと柔らかさがあります。その為に強いタッチでも楽器が受けとめてくれ、音が潰れ難いのです。力みや粗さをある程度楽器が吸収してくれるので、本番でのミスやタッチのブレをカバーしてくれます。ですがそれはある限度以上の強さで弾いても音量としては飽和していて出ている音量は変わっていないのだということが分かってきました。それはバルベロ・イーホを使うことで実感出来たと言えます。バルベロ・イーホは硬質でタッチに敏感です。強すぎるタッチでは音が潰れます。それで最初の頃はもう少し強いタッチにも耐えて欲しいという不満を持っていました。ですが決してダイナミックレンジが小さい、鳴らない楽器ではなく、自分の弾き方が悪いのだと分かってきました。この楽器を上手くコントロールする技術を身に付けられればベラスケスやボッテーリにも応用が効くと思っています。
力ずくで弾くのではなく、深いタッチで楽器を響かせることを目指していきます。


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音楽知識は必要か [音楽表現]

 先日ある方からアマコンで優勝出来るには私位の音楽知識が必要なのかと尋ねられましたので、少し書いてみます。結論から言えば一つの曲を仕上げるだけなら知識は無くても良い演奏をすることは可能です。極端な話として楽譜を読めない人でもコンクールで優勝することは可能でしょう。何故ならコンクールで読譜力を試されるような初見審査はありません。課題曲や自由曲を10日で準備しようが10年弾き込んで臨もうが、本番でより説得力のある演奏をした方が勝ちだからです。一つの曲をレッスンで徹底的に先生に仕込んでもらっていれば本人の音楽知識の不足は先生が補ってくれれるでしょう。あるいは先生に習わずとも感が良ければ人の演奏を真似するだけでもそれらしい演奏は可能です。アマチュアであれば一曲入魂で得意な曲であればプロ顔負けな演奏をすることも出来るでしょう。アマチュアであれば音楽の楽しみ方は人それぞれで良いのです。

多くのクラシックギター愛好家はまず名人が弾いている演奏を耳にして、この曲が素敵だから自分でも演奏できるようになりたいと考えるはずです。その曲が好きだから演奏したいと考えている時点で、その曲のイメージを既に持っています。カラオケがうまい人と考えると分かり易いかもしれません。カラオケで歌う場合にほとんどの人は聞き覚えで歌っていると思います。カラオケが上手い人というのは音楽の知識ではなくて、音程やリズムや抑揚まで含めて聞き覚える耳を持っている、俗にいう音感の良い人です。音感の良い人はギターを弾いても楽譜は読めません、理屈は分かりません、フィーリングで弾いて弾いていますと言いながら、上手に演奏します。その人がフィーリングと言っているのは誰かの演奏の聞き覚えなんです。稀に聞く耳は持っていながら音痴な人がいます。人の演奏の良し悪しは分かるけれど演奏するとグダグダになってしまう人、とことんリズムが取れない人がいます。そういう人でも訓練すれば必ず改善しますので好きなら諦めずに努力すれば音感は良くなります。

クラシックギターはたった一人で演奏出来る楽器です。ですから、音感が良い人、音感を鍛えた人は音楽知識は無くても好きな曲であれば体で覚えて立派な演奏をすることが出来ますし、アマチュア演奏家としては幸せに暮らせます。

ですがアマチュアであってもアンサンブルや合奏をしようと思うと残念ながら感性だけでは演奏出来ません。自分の音と他の人の音を客観的に聴けること、テンポやリズムを他の人に合わせられることが必要で、その場の状況に合わせられる柔軟性も必要です。そして他人と練習時の音楽の擦り合わせをする上で共通言語として音楽理論は欠かせません。各自が好き勝手な演奏をしても良いアンサンブルにはならないですし、只々周りの様子を伺って合わせるだけでも駄目なのです。独奏でも合奏でも同じでただ単に音を順番に並べるだけでは良い音楽にはならないのです。

ではプロの世界はどうなのか、基本的にはプロとして生き残れる人はやはりそれなりな経験と知識を持っているものでしょう。仕事によってはその場で渡された楽譜を演奏しなければならないこともあるでしょうし、教えるにしても生徒が知らない曲を持ってくるかもしれません。プロを目指している若手のギタリストはどうなのか、勿論皆ものすごい努力をしているのだと思います。でも難しい曲を間違わずに弾けることに終始して、音楽全般を学ぶことを軽視していないかという危惧を感じます。これはギターに限らず音大生などでクラシック音楽の演奏家を目指しているにも関わらず、クラシック音楽への興味があまりない人、自分の楽器に係る曲しか知らない人が多くみられます。私位の年代で音楽を専門に学びプロとして生き残っている人の多くは元々がクラシックオタクな人が多かったように思います。


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マヌエル・ベラスケス [ギター]

2014年に97歳で亡くなった名工マヌエル・ベラスケスについて調べていました。私が最初に購入した手工ギターは1992年に野辺正二で目白にあるギタルラ社でした。ギタルラ社では厳選した輸入ギターを取り扱っていることを売りにしていて、その中でもベラスケスを高く評価していました。野辺ギターを買う時に当時150万程したベラスケスの新作を少し弾かせて頂き、その頃からベラスケスは私の憧れのギターの一つでした。ベラスケスについての情報を海外のサイトのバイオグラフィーやインタビュー記事を見てみると日本版のwikiや店舗の紹介記事はあまり信頼出来ない情報が多いことが分かってきました。
例えばあるショップの紹介では次のように書かれています。
"1917年プエルトリコ生まれ。家具職人からスタートした彼は、ヴァイオリンやギターの修理を行うようになり、その後1950年代から本格的にギターの製作を始めました。1965年頃までの楽器はハウザー一世モデルで少し小型の楽器でしたが、アメリカに移住後1980年代までの楽器はアメリカ人の体格と趣味に合わせたのか大型化しパワーに優れた楽器になっています。その後は再び初期の型に戻し高い評価を得ていますが、高齢の為現在製作は行っていません。"
ベラスケスのギターは50年代60年代前半の初期のモデル、ボディを大きくした第2期のモデル、再びボディサイズを元に戻した3期のモデルに分かれるということは良く知られていることです。また特に初期のモデルの評価が高いというのも確かです。では上記の紹介文は何処が間違いかというと、アメリカに移住してアメリカ人の体格に合わせて大型化したという記述が大きな間違いです。ベラスケスのルシアーとしてのキャリアは1940年代にニューヨークに工房を開いてから本格的にスタートしています。ですから最初からアメリカで製作していて、早い時期に高い評価を得ていたのです。やや大型化したのはラミレス三世などの影響で60年代にギターに音量を求める風潮が生まれたことが要因だと思います。
ベラスケスのギターはまるでハウザーのコピーのように見えますが、ベラスケス自身はハウザーのコピーとは言っていません。彼はトーレススタイルに拘り、ハウザーやサントス・エルナンデスから影響を受けたと言っており、生涯トーレスの7本のファンブレイシングの構造を堅持しています。但し、ある時期から高音側に斜めのブレイシングを追加するようになったようです。ではハウザーを意識していないかというとそうではなく、プエリトリコに訪れたハウザー一世を持ったセゴビアを聴いたことが大きく影響しているようです。セゴビアのハウザー一世自体がトーレスの影響を大きく受けているのですから、ベラスケスがトレースモデルだと言っていることに間違いはないでしょう。
さて50年代にニューヨークで成功したベラスケスは何度もアメリカとプエルトリコで移住を繰り返しています。1962年にはプエルトリコに戻り大きな工房を設立しています。ベラスケスの工房品ラベルの楽器はこの時期から作られるようになったものと思われます。1966年には再びニューヨークに戻ります。さらに1972年から1982年まではまたプエルトリコに帰国しており、82年にアメリカに戻った先はバージニア州のアーリントンで、その後にフロリダに移住しています。ベラスケス自身の製作によるラベルはニューヨークまたはプエルトリコと書かれていますが製作された場所は年代で異なることになります。
ここで気になることは初期型に戻った第3期は何時からなのかという点です。そこも上記の紹介文のように80年代としていたり、wikiでは80年代後半と書かれていたります。大型化した楽器というのはボディの厚さ、ネックの幅などに違いがあるので現物を計ってみれば分かるのですが、ベラスケスを多く扱ってきたギタルラ社で1980年製の楽器が第3期の物と紹介していますので80年代以後の楽器は第3期に該当すると思っても良さそうです。
ベラスケスは塗装についても拘りを持っていて、ギターで一般的なセラック(french Polish)よりもバイオリンの塗装などに用いる油性ニス(Oil Vernish)が優れているという考えで基本的にはOil Vernishのようです。但し、プエルトリコでは気候の関係で油性ニスではなくラッカーを使用していたと本人が言っています。また、顧客の要望により表面版はセラックという対応もしていたようです。



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松井ギター工房訪問 [ギター]

 2月5日にギター製作家の松井邦義さんからアマコンの優勝賞品のギターが完成したとの連絡を頂きました。送って頂けるとのことでしたが、特に予定の無い日曜だったので直接受け取りに工房まで伺いました。車で近くまで行って電話したところ息子さんの啓泰(ヒロヤス)さんが外まで迎えに出てくれました。啓泰さんも3年位前から自分の名前のギターを作られています。邦義さんと同じ仕様の楽器でも少し安い価格で売られていますのでお買い得かもしれません。私の知人が啓泰さんのギターを昨年に購入したのですが、今回受け取った邦義さんのKM2と変わらない良い楽器です。KM2の特徴として19フレットがサウンドホールより上にあり、指板に余裕があります。そこでその場でお願いして20フレットを取り付けて頂きました。木材を張り付けただけのものですが、きちんと高さと形状は丁寧に合わせて頂きました。

下は20フレットを取り付け作業中の写真です。
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20フレット
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啓泰さん
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邦義さんと私
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受けとった楽器は市販されているものと同じ標準仕様のKM-2で、表面板はセラック塗装で横裏はカシューとのことです。出来立ての楽器ですが全音域でむらなく良く鳴っています。



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