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機能和声の基本 [音楽表現]





音楽表現、演奏というものは考慮すべきことが沢山あって説明しようとすると複雑になります。ですが基本的なことはとてもシンプルに出来ています。人が良い音楽と感じる重要な要素は周期性とコントラストだと思います。

周期性とはリズム感に代表されます。3拍子、4拍子といった一定のまとまりが繰り返され、さらに4小節とか8小節とかのフレーズも大きな周期を作っています。好きな音楽を聴いているとつい体でリズムを取ってしまうように周期的な繰り返し、流れを人は心地良く感じます。ですから演奏する側は心地良いリズム感を表現しなければなりません。拍子を感じることを拍節感といい、拍節感を出してと指摘されることは良くあることかと思います。私の尊敬するマエストロ飯守泰次郎先生は日本語の音楽用語としての強拍、弱拍という表現は間違っていると口癖のように言っていますが、拍節感とは強拍すなわちダウンビートに強さがあると言った単純なものではなく、時間的な揺らぎも含め、その曲に相応しい変化が求められます。

コントラストとは強い弱い、長い短い、固い柔らかい、温かい冷たいなどの対比です。甘いだけの食べ物、辛いだけの食べ物だけを食べ続けていると飽きてしまいます。一つの食べ物の中にも複数の味があり、食事全体でも味や食感に変化があると食事を楽しめます。音楽も同じで変化が大切です。早く軽快な曲、ゆったり抒情的な曲、明るい曲、荘厳な曲など曲や楽章という大きな対比、曲の中でもpの箇所、fの箇所のように明示的で分かり易い対比だけではなく、一つのフレーズの中の隣り合った音同士の中にも対比があることが音楽表現を豊かにします。対比を構成する最も重要な要素が調性と和声がもたらす安定と緊張です。安定から緊張に向かう時に人は高揚や興奮を覚えますし、逆に緊張から安定に向かうと落ち着きや安心感を感じます。比較的大きな流れの中で通常は安定から緊張に向かい、安定に戻るというのがフレーズの定番の流れです。さらに大きな流れの中でも安定と緊張の小さな揺らぎがあり、大きな流れと局所的な変化の両方を意識することで表現力のある演奏をすることが出来ます。もちろん和声的な要因だけでなく、拍節やリズム表現から発生する対比というものも考慮しなければなりません。ですが和声を考えることが一番難しいと思いますので、ここでは和声の話をします。

機能和声とは文字通りに和声の機能を説明する理論ですが、和声進行のルールと考えて良いと思います。ギターを演奏する人ならばコードネームには多少なりとも親しみがあると思います。例えばGというコードはソシレの3つの音の組み合わせであり、6本の弦の6つの音は3つのどれかに割り当てられています。

とても興味深く重要なことですが機能和声から見ると同じGの和音であっても、ハ長調のGとト長調のGは和声の機能が異なり、求められる性質も異なります。それは同じAという人がいても、置かれた環境下では温厚だったり、不機嫌だったりと異なる様相を示すようなものかもしれません。そしてある調性の中で様々な和音(コード)は性質として大きく安定側と緊張側に分けることが出来ます。例に出したGのコードはハ長調では緊張側になり、ト長調では安定側になります。そのため機能和声を説明する時は直接コードネームは使いません。ここでは日本では広く使われている度数を基準にローマ数字で表記する方法を使って説明してきます。

ある調の長調ならば移動度でのドレミファソラシ、短調ならラシドレミファソにIからVIIのローマ数字を割り当てます。そして音階の音を根音とする三和音をそのままローマ数字で表記します。つまり長調のドミソの和音はIの和音で、ソシレの和音はVの和音になります。音階の7つの音から7つの三和音が出来ますが、その中でドミソのI、ファラドのIV、ソシレのVを主要三和音と呼ぶことはご存知でしょう。これらをトニカ(トニック)、サブドミナト、ドミナントと呼んだり、日本語では主和音、下属和音、属和音と呼びます。トニカ、サブドミナト、ドミナントの頭文字からT,S,Dで表記することもありますが、ここではI,IV,Vを使います。

一番原始的な機能和声はこの主要三和音のコード進行から成り立ち、シンプルなものであれば3つの和音だけで曲が成立してしまいます。主要三和音のコード進行を終止形(カデンツ)といい次の場合があります。
カデンツの第1型 I->V->I
カデンツの第2型 I->IV->V->I
カデンツの第3型 I->IV->I
そして重要なのはIは安定であり、IV,Vは緊張側にあることです。カデンツの第1型は「起立、礼、着席」のコード進行です。緊張から安定の和声に変化することを和声が解決するといい、解決感、終わったと感じられる表現をすることが、音楽表現の基礎になります。最後のIの和音を強く強調してしまう演奏は「です」という語尾を強調するようなもので、セオリーに反します。

では主要三和音以外の4つの三和音はどういう機能があるかというと、主要三和音のどれかに近いという性質があり、I,IV,Vの代わりに用いられ代理和音ともいいます。IIはファラが共通なのでIVの代理、IIIはIまたはVの代理、VIはIまたはIVの代理、VIIはVの代理として機能します。三和音以外にも四和音や増和音、減和音などの変化和音など複雑になりますが、三和音の機能を知っているだけでも曲の見通しは良くなります。一つ重要なものを付け加えるなら属七(V7)のソシレファの4和音で、Vの性質をより強めます。そのためV7->Iはより解決感が強く表れるため、多用されます。コードで言えばハ長調の曲でのG7の役割です。

機能和声と実際の演奏との関係で重要なのは緊張側なのか安定側なのかを知ることで、緊張側であれば強い、固い、張りがある、鋭いなどで、安定側であれば弱い、柔らかい、穏やかな音を出すことで自然な抑揚に繋げることが出来ることにあります。



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