So-net無料ブログ作成
検索選択

不協和音と倍音の話 [音楽表現]





前回、純正律などの話を持ち出したのは和声での協和、不協和、非和声音という話に繋げたかったからです。機能和声で説明した長音階、短音階の音を根音として作られる三和音の中で根音(一番下)と3つ目(第5音)が完全5度で根音と真ん中の音(第3音)が長3度になる和音を長三和音、第3音が短3度になるものを短三和音とよび、3つの音が溶け合う安定した和音となり、ギターのコードネームならC,Cm,E,Emなどの3つの音からなるシンプルなメジャーコード、マイナーコードになります。ハ長調のVIIの和音はシ・レ・ファですのでシとファの関係は減5度になり、コードネームではBm-5とかBm♭5などで表記され、メジャーコード、マイナーコードに比べて不安定な和音となり、不協和音と呼んでいます。

ところで不協和音という言葉は一般的ですが、調べてみると不協和音の定義というものは明確ではないようです。なんとなく不協和音とは不協和な和音で安定した和音は協和な和音で協和音と思っていました。ですが楽典的に定義されているのは2つの音の音程に対して完全1度(同じ音)、完全8度(オクターブ)と完全4度、完全5度を完全協和音程と定義しています。つまり完全に協和する音程です。次に長3度、短3度、長6度、短6度を不完全協和音程としています。完全協和音程と不完全協和音程を除いた音程は不協和音程になります。和音についての協和、不協和の定義は統一されていないようですが、和音の構成音に不協和音程を含むものは不協和音ととらえて良さそうです。

機能和声で説明したように不協和音ではないI,IV,Vのトニカ、サブドミナント、ドミナントでも調性の中では安定側と緊張側に性格付けられます。不協和音は不安定な和音ですからより緊張度の高い和音になります。ですから安定と緊張の対比という観点からみれば複雑な和音はより緊張を強めていると大雑把に考えることが出来ます。

これを書いていて何故、長3度や短3度が不完全協和音程なのかという素朴な疑問を感じました。
以下は私個人の空論的考察です。
完全4度と完全5度は完全8度の中で対称な関係にあります。ドとファあるいはドとソの2つの音を出した時に安定はしているけれど特徴のない響きになります。そこに不完全協和音程である長3度や短3度を加えると長調、短調の特徴が現れます。ですから機能的には完全協和音程と不完全協和音程の境界は説明がつきます。

ですが音の科学、波動という観点で考えると周波数、波長の関係からは長3度、短3度、長6度、短6度も整数比が成立するという点では調和しています。しかしながらこれは机上の理論で音を一つの周波数だけからなるピュアなものとして扱っています。一つの周波数の単純な波形の音は音叉の音であったり、現代であれば電子音として出すことは簡単にできます。しかし現実の人の声、楽器の音は異なる周波数、波形が混ざり合っています。実際の楽器の音に含まれる周波数成分は倍音を多く含まれます。倍音の他にも雑音成分もあります。含まれる倍音成分の構成が楽器の音色を特徴付ける大きな要因にもなっています。

ここで雑音は無視して楽器の音に含まれる倍音成分を考えてみます。世の中の多くの楽器は理科や物理で勉強した弦の振動、気柱の共鳴という基本原理に従って作られています。弦楽器は両端が固定された弦の振動ですから弦の振動を利用した楽器の原理は共通です。管楽器は気柱の共鳴での両側開端の原理に近いものはフルートくらいなのですが、一部を除くリード楽器や金管楽器は構造的に片側閉端であるにも係らず両側開端で得られる自然倍音列が得られるように楽器の形状を工夫しています。そのため弦の振動も管楽器の共鳴も周波数成分に含まれる倍音成分は自然倍音列という点で一致しています。

自然倍音を考える時ギターは便利で、要は自然ハーモニクスで出せる音です。ギターの解放弦の音が弦の線密度と弦長から決まる基音となります。次に弦長の真ん中になる12フレット上でハーモニクスを出すと基音のオターブ高い音が得られます。次に弦長を3分割する位置、4分割する位置のように弦長を均等に分ける位置で自然ハーモニクスが出せますが、これが自然倍音列そのものです。
そしてギターで普通に音を出した時もこれらの自然倍音列の音が混ざっています。低音弦の方が分かり易いのですが、他の弦が共鳴しないように押えておいて、例えば5弦解放のラの音を出すと、オクターブ上のラの音やさらに上のミの音などが鳴っていることが分かります。ハーモニクス奏法とは基音の振動を止めて特定の倍音成分のみを強く響かせるという奏法です。

管楽器は聞こえている音程が倍音列の基音とは限らないのですが、弦楽器は音程と認識している音が基音で、その上にその基音を基準とする倍音を含んでいます。話を簡単にするために音を弦楽器的な基音とその自然倍音で構成されているものとして、倍音まで含めて調和するかと考えてみると長3度の場合は比較的定次の倍音間で短2度のぶつかりが生じます。実は完全5度の倍音で考えても同じ次数で長2度が生じますが、短2度(半音)と長2度(全音)では緊張度、不快感は大きく異なりますので、長3度と完全5度では違いはあるといえるかもしれません。



スポンサードリンク





nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この記事のトラックバックURL:
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。